個性がいいと言われる時代になり、色んな働き方があるとわかっていても具体的にどんな働き方があるのだろう?

そんな疑問から自分の個性や好きな事や生まれた環境を生かして仕事をされている方へインタビューをしてみたいと思ってやっている企画です。

このインタビューを読む事で自分にもできるかもしれない!と勇気を持つ方が出てこられるかも!と思いつつ、一番は私自身が 聞いてみたいからでもあります。

 

それでは 今回は 私が発達支援コーチをやるきっかけになった方、 灰谷孝さんです。

灰谷さんの発達支援コーチのセッションを受けると子どもだけではなく、親も いい意味で 変化が現れます。

そんな灰谷さんのようなセッションをしたいと思い目標としていた存在でしたが、

昨年 発達支援コーチを育てる 「ここからだ」の代表を辞任されて 私自身とてもビックリしました。

また元は会社員で 子どもと関わる仕事は全くして来られなかったというのも不思議に思っていました。

なぜ子ども達と関わる仕事をされるようになったのか、

また「 ここからだ」を辞任されたわけなども合わせて聞いてみたくインタビューを申し込みさせていただきました。

灰谷孝さん

発達支援コーチが所属する「一般社団法人ここからだ」元代表。

数々の発達に関わる人、子供たちに携わって来られています。

著書には、社会人向けの本、 「夢を実現させるブレインジム」と

発達支援コーチの要素がギュギュッと詰まった本「人間脳を育てる」があります。

 

 

①どんなお仕事をされていますか?

発達に課題を持つと言われている子ども達の支援です。

原始反射という赤ちゃんの動きを再体験する方法ですが、

子どもたちと関わる中で教えてもらった事を通して

「発達するにはどうしたらいいか」を

大人に伝える講演活動を全国で行なっています。

 

伝えている内容は、

【身体の動き】や【感覚】へのアプローチを通して

自分らしい発達を支援する方法についてです。

 

なぜこれをやっているかというと、

発達を障害者や子どもだけに押し付けず、

自分ごとだと思う人が増えると世の中がぐんと平和になると

思っているからです。

 ②あなたが今の仕事に至るきっかけがあれば教えてください。

大学卒業後、10年間会社員をしていました。

そこではドーナツ屋の店長、飛び込み営業、人事の仕事をさせてもらいました。

しかし、体を壊してしまい、会社員は卒業しようと思い、

その後起業し、企業研修の講師となり、大人向けの講座をやっていました。

 

その頃、2週間の休みを取り南極へ行きました。

そこで2年もの休みを取って旅をしている外国人に出会い、

「自分の働き方」について考えさせられました。

 

その事がきっかけで、南極から戻った後、

もっと旅がしたいと思い、妻とキャンピングカーで全国を回る事をしました。

その頃、ブレインジムという学習障害の方向けの

体からの発達するためのアプローチを伝える活動をしており、

その時出会った子ども達との体験や気づきを得て今の活動に繋がっています

 

それまで子どもと関わる仕事をした事がなかった私でしたが、

1日に子ども8人とセッションしてもまったく疲れずむしろ元気になっていました。

それに対し、企業研修の仕事をした後はどっと疲れていて、

そのことに違和感を感じていました。

 

体験を通し、自分の体と心が一致していないことに気づけたので、

あるとき企業研修はやめました。

 

また、全国から発達支援の相談を頂く中で、

情報が少なく受ける支援を選べないという現状を知り、

「誰でも、どこでも、いつでも発達支援ができる」ことを伝えたいと思いました。

その想いから生まれたのが

発達支援コーチを育てる団体「一般社団法人ここからだ」でした。

 

現在では自分以外にもそれを伝えられる人達が増え、

「ここからだ」の運営を引き継いでもらうことができ、

私はまた新たなスタートを昨年から始めています。

 

 

③今の仕事が軌道に乗る前にご苦労されたことは何ですか?それはどうやって乗り越えましたか?

企業研修の仕事を辞める時にも迷いはありました。

独立してからずっと支えてくれお世話になった人からの

お仕事をお断りすることへの罪悪感や、

当時半分以上あった収入がなくなってしまうことで

未来への不安や怖さという気持ちから来る迷いです。

でも一歩ふみだすと、あとは 「大丈夫、なんとかなる」

という根拠のない自信のようなものがありました。

これは会社員時代に身につけさせてもらっていたのだと思います。

 

大学卒業していきなり 飲食店のマネジメントの仕事をしなくてはいけなかったり、

その後急な異動があり、

飛び込み営業で商品を買ってもらえるよう話さなければいけなかったりと

未知の経験をさせてもらう中で 

「行動すれば次の現実がやってくる」と考えられるようになったのだ思います。

 

また 子ども達と関わりだしたある時に、

重度の自閉症を持つお子さんとの出会いを通して大きな気づきがありました。

それまでに様ざまな手法を学んで来た私は、

「私がこの子のために何をすれば役に立てるか」と考えて、

自分の持っている技術と知識を子どもに当てはめるような

スタイルでセッションをしており、

いろんな子どもたちがセッションにやって来る中で、

毎回どんなお子さんが来るのか、そのお子さんに対して

満足したものが与えられないのではないかという不安が常にありました。

 

しかしその自閉症を持つお子さんは非常に過敏で

触ったり目を合わせたりはもちろん、

どのようにしてもほとんど近づくこともことさえできませんでした。

私が彼のために何かしようとしても、

何もできない、近づくこともできない

という場面に直面し、

自分が「何かをする」ということを手放しました。

 

すると、そのあと初めてその子と関わることができたのです。

しかも触れ合う中で、自分が一緒に遊んでいると、

彼が発達にとって必要なことは、

私が何かしなくても自分でやろうとしていることがわかりました。

 

そして、10年以上コーチングを通して学んできた

「相手の中に答えがある」 ということが本当に腑に落ちて、

セッションする際の最重要事項として意識して関われるようになれたと思います。

  ④あなたの個性、長所、短所、好きな事、嫌いな事について自分で思いつくものを教えてください。

 

1つめは「衝動性」です。

ある事をやりたくなったら行動をおこさずにはいられません。

また、同じ事を繰り返しずっとしていることが苦手です。

 

短所として出るのは、

言いたくなったことを状況やタイミングを

考慮せずに言ってしまうことがあり、

時に相手を傷つけてしまうことです。

一方でそういう特性があったから、

自分のやりたいことにどんどん手を付けていけるし、

これ!と思ったらやらずにはいられない質なので

未知のことでも挑戦することができています。

それが自分であるということを知って、活かしていけているのも、

子どもたちとの出会いのおかげだと思います。

 

2つめは「負けず嫌い」です。

小学生から始めた剣道では、先鋒という役目を与えられていました。

先鋒とは団体戦で1番目の人のことです。

先鋒という役目は最悪勝てなくても「負けないこと」が大切だと教えられました。

ある試合のあと、中学校の顧問の先生から

「やはり先鋒はお前しかいない!」と言われていたのが心に残っています。

めったに褒めない先生だったので、とても嬉しかったんです。

先鋒という役目に誇りを持っていましたし、

「負けず嫌い」という私の個性を良く見ていてくれた

先生が活かしてくれたんだと思います。

書くことに非常に時間がかかるという

学習障害に近い特性を持っている私にとっての剣道は、

身体面の発達に役だっただけじゃなくて、

自分の個性を活かしてもらえる場所でもあったのだと思います。

 

⑤あなたと似た個性を持った人がいて、短所に目が行き自分に自信がなく自分の価値を見出せないでいる方へ何かメッセージをお願いします。

ついついやってしまうことを自分では短所と思ってしまう事もあると思います。

私で言えば 衝動性の強さや負けず嫌いに当たります。

 

でも、自分が本当にしたいこと、社会に発信していくことを通して、

行動していくうちにそれを長所として見てくれる人が必ず出てきます。

 

特性は、周りの人に見てもらうことで長所になります。

待っているだけではダメです。自ら動くことです。

ですので、自分に責任を持ってする行動を

周りの人に見てもらってそれをあなたの強みにしていってほしいです。

 

私には好きな言葉があります。

インプロという即興劇のトレーニングの師匠から言われた

「崖を見たら飛び込め!」という言葉です。

一見そんなことをしたらケガをしそうとか怖いと思うと思いますが、

人間そうしないと発達しないのです。

守られた安全な環境にずっといては 発達はしない。

 

自分が守られた環境にいることを選択すること

これもそれぞれの人生の一つの選択なので

もちろんそういう人生もありですが、

自分の個性を強みにして生かしたいと思うなら

是非ちょっと怖いなと思うことにも飛び込んでみてほしいです。

 

考える前に自分の直感、やりたい気持ちや体に正直になり、

まずやってみることもおすすめしたいです。

 

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灰谷さんありがとうございました。

自分の特性を受け入れ、生かし、発達していく過程を

自分自ら示しておられる灰谷さん、

「絶賛発達中!」という言葉をよく使われていますが、

自分自身が日々発達していくのを楽しんでおられるのがよくわかります。

 

また南極で働き方について衝撃を受ける言葉に出会ったり、

体からくる違和感が仕事を変えるきっかけとなったり、

当時とても悩まれたのかもしれませんが、

それを次の行動、生き方のステップに繋げておられるんだなぁ

というのもわかりました。

 

灰谷さんの人生にとって会社員時代の経験も、

衝撃的な経験もすべて必要で

今の灰谷さんを作っている要素であり、

人生のストーリーなんだなと思いました。

 

これを読んでいるあなたもきっとあなただけのストーリーがあるはず。

それを見つけていってくださいね。

 

・・・という私も

私らしく楽しみながら発達していく人生をめざし、

その過程をも楽しむことをがんばります(笑)